令和5年度フードテックビジネスコンテスト
本選大会結果一覧

アイデア部門

01

Edu MEAL:食事と連動した動画配信による食育サービス

神戸情報大学院大学
金沢 恵子 さん

プレゼン

概要

子どもたちの日々の食事に関する動画を提供することで、食を理解し楽しむ力を高めるための食育サービスです。例えば、うどんを食べる日には、うどんの起源や原料の小麦粉の栽培、出汁のうまみ成分などの動画を配信します。実体験と連動した動画教材で、子どもたちの好奇心や探究心を引き出します。毎日の食事と連動する大量の動画は生成AIを活用して制作し、「動画版・食の百科事典」を実現します。

審査員コメント

一般社団法人AgVenture Lab代表理事・荻野さんは「エシカル消費、環境配慮などもコンテンツの中に入れ込んでもらえると良いのではないか。広く普及し、より多くの方に使ってもらえるよう、金額の検討もするとさらに良い案になる」とアドバイス。味の素株式会社 執行役員・柏原さんは「食の文化や大切さを伝えていくことは重要。旅行やスポーツなど、幅広い分野と食を掛け合わせると面白くなりそうだ」と期待を寄せました。

02

多様化する消費者の嗜好に合った農産物を提案するAgriColor

合同会社ノーエン
齋藤 典之 さん

プレゼン

概要

育ってきた環境=天気に大きく左右される農産物の味を、気象データを色に変える「AgriColor」で伝え、多様化する消費者の嗜好に答えるサービスです。生産者は商品の付加価値を高めることができ、フードバリューチェーンに関わる全ての人たちがハッピーな仕組みを実現します。

審査員コメント

アグリビジネス投資育成株式会社取締役 代表執行役・松本さんは和歌山の有田みかん農家を例に挙げ、「天候によってどれくらい味を説明できるのか実証することでより説得力のある内容になるのではないか」と提案。株式会社UnlocX 代表取締役・田中さんは「カードにするというアイデアが面白い。例えばゲーム等の要素を取り入れることで普及が進みそうだ」とコメントしました。

03

「棚田ポニックス」(循環型施設園芸) 低投資、高収益、脱炭素型食料供給システムの実現

株式会社プラントフォーム
遠崎 英史 さん

プレゼン

概要

アクアポニックスの導入により、中山間地の休耕田を有効活用することで、日本が直面する社会的課題に対する解決策を提供します。具体的には、IoTを活用し、高齢化社会における労働力不足を補うための新たな農業形態を提供し、食糧安全保障を強化するための持続可能な食糧生産システムを実現します。さらに、有機肥料水耕栽培により、自然環境の保護を促進し、エネルギー消費を抑制することで、環境問題とエネルギー問題にも対応します。

審査員コメント

明治ホールディングス株式会社ウェルネスサイエンスラボ ラボ長・長田さんから「棚田の農家との関わり方や考えられる地域経済の活性化はどのようなものか」と質問を受け、遠崎さんは「賃料を払い借りることで棚田の維持に貢献したい。非常時の電力を作ることが可能なので、明るい農村を目指したい」と回答しました。一般社団法人AgVenture Lab代表理事・荻野さんは「棚田は農産物を作るだけでなく、景観や生物多様性等にも影響する守るべき文化。アイデアをモデル化して、日本国内だけでなく、アジアなどにも展開できる内容になると良い」と激励しました。

インタビュー動画

04

3Dフードプリンターとロボット・AIによる新サービスモデル

ミツイワ株式会社事業推進部
本多 隆史 さん

プレゼン

概要

現在の3Dフードプリンターは、材料の積層が主たる機能であり、『煮る』『焼く』などの2次加工や『配膳』などの次工程を行う事が出来ない。その機能を協働ロボに委ねることにより、フードサービス業での新しいビジネスモデルを構築する。さらに、様々な材料での造形を安定化させる為、及び、個人の健康状態に合致した原料配分を行えるようにする為、3Dフードプリンターの調整をAIにて行い、次世代の調理器として完成させる。

審査員コメント

味の素株式会社 執行役員・柏原さんは「構想も大きく、3Dプリントはどこの会社も取り組みたいと思っているのではないか。世界で戦っていくためにはロボティクスと3Dプリンターというのは素晴らしい」とコメント。株式会社UnlocX 代表取締役・田中さんは「食のパーソナライズ化に関心があるのであれば、さらに奥のレイヤーまでフォーカスし、どの分野での活用を想定するかイメージすることで実装の場が見えてくるのではないか」と講評しました。

05

もったいない文化×センサー技術×AIによる食品ロス問題解決

グロービス経営大学院
リーダー 南 俊輔 さん
(岩橋 努 さん・飯島 康 さん・野本 歩 さん・住永 雅典 さん)

プレゼン

概要

食品ロス問題解決のため、一般消費者の意識を底上げするソリューション(センサー付ディスポーザー)を開発提供するビジネスプランを提案。食品ロスの約半分は一般家庭で発生する中、改善には国民各層がこの問題を自分事として捉え、行動に移すことが肝要だが、現在、家庭でのロス量の定量化は出来ていない。我々はロス量の定量可視化により、もったいない意識を呼び起こし、行動変容のきっかけをつくることで問題解決を図る。

審査員コメント

アグリビジネス投資育成株式会社取締役 代表執行役・松本さんは課題設定を評価したうえで、「消費者にそもそもフードロスを出させないものを作ることを企業は検討している。家庭でのフードロス削減とどちらが有効だと考えるか」と質問。南さんは「企業努力による削減も効果があるが、各家庭における行動及びその効果の可視化もニーズがある」と回答しました。一般社団法人AgVenture Lab代表理事・荻野さんは「もったいないという日本人の感覚をうまく活用した仕組みで、フードロス・エシカルの観点で定着していくと感じた。突き詰めていくとスマートシティの一部にもなり得るため、どこかで実証ができると勢いがつく」と期待を寄せました。

インタビュー動画

ビジネス部門

01

47都道府県 究極フルーツの食ブランド 「ひとくちチョコレート」

株式会社HITOKUCHI
荻曽 友貴 さん

プレゼン

概要

旬で希少な幻のフルーツだけをあつめました。 ここでしか味わえないフルーツチョコレートで、いままでにない体験を。 食感を極めた果肉まるごと「不知火」(熊本産)、和製グレープフルーツ「河内晩柑」(愛媛産)、幻の黒いちじくビオレソリエス(佐賀唐津産)など、国産の幻のフルーツを活かした商品を通じ、「JAPANブランド」として日本ファンを増やすことがミッションです。

審査員コメント

明治ホールディングス株式会社ウェルネスサイエンスラボ ラボ長・長田さんは「海外に展開することで、日本の地方に海外から旅行者が行くきっかけになる」と講評し、一般社団法人AgVenture Lab代表理事・荻野さんは「地方創生にも良いし、海外向けに日本理解できて良い。荻曽さんのバックグラウンド、キャリアを活かして商品開発しているのが特徴的だ」とコメントしました。

02

プラットフォーム微生物「DSE」によりあらゆる環境で植物の生育を実現する

株式会社エンドファイト
風岡 俊希 さん

プレゼン

概要

弊社が保有する微生物(DSE)は、多種多様な植物の根に共生することで、植物のストレス耐性(耐暑性、耐寒性、病害耐性、干害耐性等)の向上や有機体窒素・リン酸吸収促進、花芽形成促進、土壌のCO2排出量削減を可能とする。DSEを用いた培土および苗販売を行うとともに、次世代のバイオ資材の開発や土壌再生、森林再生事業を行う企業に対して技術提供を行うライセンス事業を行い、技術の加速度的な実用化及び普及を行っていく。

審査員コメント

株式会社UnlocX 代表取締役・田中さんから「国内外での可能性を感じるが、海外からの問い合わせ数はどうか」と質問があり、風間さんは「ニーズが顕在化しているという意味で、海外の方が農業に課題が多くあり、使ってもらえそうだ」と回答。味の素株式会社 執行役員・柏原さんは「微生物の力を使って農業を高度化していくというストーリーは間違いなくニーズがある」と評価し、「海外展開する際には良いパートナーを見つけると良い」とアドバイスしました。

インタビュー動画

03

キノコ革命~コーヒーから始まる循環型キノコ栽培~

RE:ARTH
倉橋 大希 さん

プレゼン

概要

私たちの生活や未来をもう一度見つめなおし、「より良い明日を切り開く」ために、「もったいないを少しでも減らす」ことを目的としてRE:ARTHでは廃棄率99.8%のコーヒーカスを使ったキノコ栽培に取り組んでいます。この「キノコ革命」を全国のきのこ生産者に広め、循環型社会の形成に貢献します。

審査員コメント

アグリビジネス投資育成株式会社取締役 代表執行役・松本さんは「全日本へ展開するための、ブランディングを含めて、自社ならではのビジネスモデルや技術をクリアにすると、さらにアピールできると感じた」とコメント。明治ホールディングス株式会社ウェルネスサイエンスラボ ラボ長・長田さんは「ビジネスを大きくする場合はメリットのあるサプライチェーンを構築すると良い」と講評しました。

04

3D 解析技術と農業特化型LLM を用いたデジタルツイン農業

株式会社きゅうりトマトなすび
佐々木 佑介 さん

プレゼン

概要

現実とバーチャルの融合させたデジタルツイン農業により、最適な農業を実現する。主要な要素技術はデータ取得と解析で、3D解析技術によって圃場の詳細な生育状態の把握や収穫予測等を行うことができる。また取得したデータと過去の情報や膨大な文献を基にした独自のLLM技術を活用して実用的なフィードバックを提供する。これらにより農業の効率化と最適化を実現する。

審査員コメント

一般社団法人AgVenture Lab代表理事・荻野さんは「実証実験を継続的にやれる環境はあるのか」と質問し、佐々木さんは「来季から新たなパートナーと稲作での実証実験を始めることになっている。加えて、自社工場の設立に向けて準備している」と今後の展望を説明しました。株式会社UnlocX 代表取締役・田中さんは「非常に面白いソリューション、ワクワクしながら聞いていた」とコメントしました。

05

未利用食品を新たな食品へと生まれ変わらせる“粉末技術”

株式会社グリーンエース
中村 慎之祐 さん

プレゼン

概要

日本では年間200万トン程度の野菜が規格外や価格の調整で廃棄され、食品加工の現場でも年間120万トン程度の食べられる食品が廃棄されている。この問題を解決するために、私たちは色や香り、栄養成分を保持したまま野菜を粉末化する技術を開発した。現在、私たちは野菜粉末を用いた食品の開発と販売および食品加工残渣を活用して新たな商品を作り出す企業との共創事業によって、フードロス削減に挑んでいる。

審査員コメント

味の素株式会社 執行役員・柏原さんは「非可食部に対して、どうすればもっと可食になるのか、ということを検討・工夫し続けることが、アップサイクルのポイントだ」と講評。明治ホールディングス株式会社ウェルネスサイエンスラボ ラボ長・長田さんは「食品は賞味期限や移動時の包装等、様々な場面で環境負荷がかかっていくなか、粉末化は素晴らしいソリューション。活用の可能性を感じる」と期待を寄せました。

インタビュー動画

06

魚病早期診断システム「UMIDaS❜」

株式会社ストラウト
平林 馨 さん

プレゼン

概要

増加する世界人口により、タンパク質の需要が供給を上回る「タンパク質クライシス」という将来的な社会課題に対し、効率的なタンパク質供給源となりえる水産養殖での解決が有力視される一方で、現代の養殖業は、気候変動による水温上昇や、魚病発生増加に直面していることから、特に喫緊の課題である魚病を、AI/IoTで早期検出する技術開発を行うことで「発生後対処」から「予防」に意識を変え、養殖生産能力の改善を目指します。

審査員コメント

アグリビジネス投資育成株式会社取締役 代表執行役・松本さんからの「ダイバー視点で魚の顔認証のように見て、さらに病気を認知してというコンビネーションなのか、魚を見る目線になのか、どこを強みに感じているのか」という質問を受け、平林さんは「多角的な視点とセンシングデータとのコンビネーションが我々の斬新さであり強み」と回答。明治ホールディングス株式会社ウェルネスサイエンスラボラボ長・長田さんは「養殖業者の大きな課題に驚き、ビジネスの可能性を感じた」と講評しました。

07

ハウスの可視化を加速するSustagram Farm

AGRIST株式会社
山口 孝司 さん

プレゼン

概要

当社の先進的な農業自動化パッケージ「Sustagram Farm(サスタグラムファーム)」に、生産データ(収量予測)と販売データ(需要予測)を統合したAI農業プラットフォーム「AGRIST AI」を搭載します。これにより、最適な出荷・仕入れが実現され、更に最適な物流が確立されます。サプライチェーン全体がデータ連携され、収益の最大化と脱炭素の推進がサポートされます。AGRIST AIは効率的な経営判断を可能にし、持続可能な農業を促進します。

審査員コメント

株式会社UnlocX 代表取締役・田中さんは「ロボットがデータを取得した栽培方法が付加価値として成り立つと良いと考える」とコメントし、山口さんは「持続可能な農業のためにロボットを開発したことを伝えて販売することで、さらなる技術の開発・収益化を提案したい」と回答しました。一般社団法人AgVenture Lab代表理事・荻野さんは「農業ロボットのスタートアップは、ロボットのデータを集めて解析、となるので驚かないが、消費と合わせるアプローチも挑戦しているとこが特徴的でとても良い」と期待を寄せました。

インタビュー動画

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