「栄養2.0」の世界へようこそ 革新的な食の個別化サービス「AI食」
すべての人の未来に寄り添う「AI食」/小山 正浩(株式会社ウェルナス)
プレゼンテーション概要
株式会社ウェルナス代表取締役の小山正浩さんが提案したのは、一人一人個別に健康目標を実現するための栄養最適食「AI食」です。小山さんはこの技術を「これまでとはまったく違う世界を見られる『栄養2.0』」と表現しました。
AI食は、これまでの一般的な基準に則したアドバイスに基づく食ではなく、ユーザー個人の食と体のデータを解析し、体データを改善・改悪する栄養素を特定して、健康目標を実現するよう調整した個別の栄養最適食。例えば、ダイエットをしたい場合、体重を減らす、もしくは、増やす栄養素を個人ごとに特定し、カロリーや糖質制限に頼らない体重管理が可能であると説明。これにより、ユーザーに寄り添う提案を行う革新的な栄養サポートを行うことができます。ダイエットだけでなく脳機能や運動機能のパフォーマンスアップも可能性があるとのことです。
このAI食はすでに技術として確立しており、、MVP(実用最小限の製品)は「NEWTRISH」として公開済みで、現在までにダウンロード数は1万1千超。無料から有料まで3段階のプランを設定し、高価格プランは最短で目標達成するためにメニューを提供する「食のパーソナルトレーナー」といえるサービス。ロードマップとしては、2023年にアスリートや食・健康に関心の高い層へ展開、24年には若年層の健康な体づくり、25年は中高年の生活習慣病予防、27年以降は高齢者の健康寿命延伸ニーズに応える計画です。
ビジネスモデルはtoBとtoC。toCでは事業連携済みの株式会社askenが運営する食生活改善アプリ「あすけん」ユーザーを最初のターゲットとし、順調にユーザーが伸びているとのこと。toBはプロスポーツチームや健康意識の高い健康経営企業へのアプローチを行っています。AI食技術の基本特許は取得済みで高い参入障壁を構築しており「競合は見当たらない。革新的な食の個別化サービスは当社がイニシアチブを取れる状況」と話しました。
「今後はよりよいサービスの提供と認知拡大を図りユーザー数の増加を目指す」と小山さん。現在特に力を入れるサービス開発は「AI食の実食サービス」。実現すれば外食、中食、宅食、コンビニ食等を通して、誰もが手軽にAI食を利用できるといいます。また食事内容や体重のインプットなど煩雑な操作が不要な簡易AI食サービスも開発中とのこと。「ウェルナスはAI食ですべての人のwell-beingを達成する未来を創ります」と締めくくりました。
審査員講評
審査員の株式会社ユーグレナ代表取締役社長・出雲充さんは「ボトルネックは煩雑な操作性一点なので、ぜひ改善してほしい。頑張ってください」と講評。一般社団法人AgVenture Lab代表理事・荻野浩輝さんも「多くの人が関心を持っている。手間のない簡単な操作性が実現させてほしい」と期待を寄せました。審査の結果、「すべての人の未来に寄り添う「AI食」は優秀賞を受賞し、選定理由として荻野さんは「食も健康も今後パーソナライズされていく中、このサービスは一つの解になるのではないか。さまざまな業界と連携の可能性も期待される」と述べました。
受賞者インタビュー
その他のプレゼンテーション
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