廃棄されるお菓子を救え!フードロスを削減する自販機と連動アプリ
お菓子専用のデジタル自販機/増田 真凜・立野 未紗(成城大学)
プレゼンテーション概要
成城大学の増田真凜さんと立野未紗さんの発表は、フードロス削減を目的とするお菓子専用のデジタル自販機(自動販売機)「1/3 Share」と自販機に連動するアプリです。
業界の商習慣により、食品は賞味期限までの3分の2の期間を過ぎると売り場から撤去され、その多くが廃棄される現状があります。増田さんと立野さんは、廃棄されるお菓子に第二の販売の場を生み出すアイデアを提案しました。
「1/3 Share」は大学や企業のオフィスに設置することを想定し、スーパーなどで売り場から撤去された菓子類を販売します。販売商品に菓子を選んだ理由について、お菓子は鮮度維持の管理がしやすいこと。設置場所については調査会社のリサーチで『間食が集中力の向上に役立つ』というデータがあり、学業や仕事のスペースへの設置を考えた。と説明しました。競合としては大学生協や購買部、コンビニが想定されますが、ある程度購買力のあるセグメントをターゲットにすることで安さより近さで優位性を持たせています。
自販機には、タッチパネルでパッケージの裏側にある成分表示等を確認できる機能や、AIを搭載し賞味期限に合わせて自動的に割引するなどの機能を持たせます。優位性や新規性について立野さんは「自販機のユニークな機能の他、社会課題や社会貢献を身近に感じてもらえること」と話しました。社会問題やSDGsに取り組んだり学んだりする大学、社会問題に貢献しようとする企業が増える中、「1/3 Share」はそれらを身近に感じてもらう機会作りに役立ちます。
特長は連動するスマホアプリでポイントを付与すること。増田さんは「利用促進効果だけでなく、身近な人に共感の輪を広げるきっかけになる」といいます。ポイントを貯めることで社会貢献度を“見える化”します。また、お菓子をシェアする機会をつくることで、コミュニケーションを深めることに役立ってほしいと考えています。最後に事業化した場合の波及効果について、学生や社会人へ集中力の向上をもたらすとともに、フードロス削減への関心を高めます。さらに社会貢献の輪を広げるコミュニケーションツールになります。と述べ、「1/3 Share」が浸透することで、フードロスを削減できる未来を作りたいとまとめました。
審査員講評
審査員の株式会社シグマクシス常務執行役員・田中宏隆さんは「世界的にもスマート自販機の流れがきている。お菓子だけでなく、健康やパーソナライゼーションの視点で幅広い商品を扱うと可能性が広がる」と講評しました。セブン&アイ・ホールディングス執行役員・釣流まゆみさんは「学生ならではの視点で身近な課題を取り上げた。糖分を多く摂ることに抵抗が高まっているので、事業の成長を考える際には他の食材にも目を向けるとよいのでは」とコメントしました。
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